Apple Cardで支払ったはずの0.99ドルが返金されていた話

Apple Card

こんにちは。mazeです。

例年、年明けは(特に💦)ブログの更新を怠る傾向にあります。。。本年もどうぞよろしくお願いいたします🙇‍♀️

私が住んでいるテキサス州ローレットは、ここのところ暖房がいらないくらいの暖かさになりました。1月は大寒波で -10℃以下になる日が数日あったり、2月には30℃を超えてクーラーが必要な日があったりで、どちらにもびっくりしていたんですけれど。

最近は雨や曇りの日もありますが、概ね穏やか。葉っぱがすっかり落ちてなくなっていた木には新芽がメキメキ出てきて、緑で覆われる日も近そうです。

さて。

先日、iPhone で Apple Card の利用明細を見ていたら、「Balance Adjustment」という名目で0.99ドルの返金がありました。Balance Adjustmentってなに??

、、、と思って調べてみたらおもしろいことが分かったので、みなさまにもシェアします。

日本未上陸の Apple Card

まずは、念のため Apple Card(アップルカード)の説明から。今回お伝えしたいこととは直接関係ないので、ざっくりと。

Apple Card は、Apple がゴールドマン・サックスと提携して提供しているクレジットカードです。国際ブランドは、Master Card。

Apple Card - Apple
Apple Card – Apple から画像をお借りしました。

Apple 製品の所有者のみが申請できるクレジットカードで、日本には未上陸。2024年3月 現在、申請には米局居住者であることが条件です。

Apple Card の申請は、iPhone や iPad などの Wallet アプリから行います。手続きが完了したら、Wallet アプリに Apple Card を追加。これで、Apple Pay 利用時に Apple Card を使用できるようになります。

↑の画像の右側のカードは、チタン製の Apple Card。Apple Pay を利用できない店舗では、一般的なクレジットカードと同じようにこのカードを決済端末に差し込んだりスワイプしたりして使えます。

ちなみに、このチタン製の物理カードは、申し込まないと届きませんので忘れずに!

Apple Card の特典はこんな感じ↓

  • Daily Cash(デイリーキャッシュ)
    • 購入額に応じたキャッシュバック。即日還元で、しかも無制限!
    • キャッシュバックの還元率は、店舗や対象商品によって異なります。
      • 3%:Apple 製品やサービスの支払いや、ナイキなどの提携店舗で Apple Card を使用して Apple Pay で支払った場合
      • 2%:Apple Pay での支払い
      • 1%:Apple Pay 以外の支払い
  • リアルタイムの利用履歴 … Wallet アプリでいつでもリアルタイムな利用履歴を確認可能。購入したものがカテゴリーごとにも表示される
  • No Fee … 年会費、海外取引手数料、遅延手数料などが不要

嬉しいのが、Apple Card ユーザーが開設できる Apple Savings という High Yield Saving Account!日本語でいうと「高利回り貯蓄口座」かな。

2023年4月17日にリリースされたときには APY(Annual Percentage Yield:年間利回り) が4.15%でかなり話題になりましたが、現在はなんと4.5%!

例えば、10,000ドル預けていたら、年間450ドルの利子を受け取れるかもしれないということ。High Yield Saving Account の利子は月々支払われるのが一般的なので、毎月40ドル近く受け取れることになります。

金利は変わるし、現在のアメリカでは Apple Savings の APY が特別に高いというわけではないんです。

が、この口座に、Apple Card で受け取ったデイリーキャッシュを自動的に入金することもできます。これによりさらに利子も増えていくというわけ。Wallet アプリでいつでも状況を確認できるし、便利だなーと思っています。

ただし。

Apple がゴールドマン・サックスとの提携を終了すると報道(ref: Apple to end credit card partnership with Goldman Sachs – WSJ | Reutersされていて、12〜15ヶ月以内に契約から撤退するそう。特典などがもろもろ変わっちゃう可能性もありますが、ご参考までに。

Apple Card や Apple Savings についての詳しい説明は、Apple の該当ページをご覧くださいね。詳しく説明してくださっている方のサイトもあるので、この投稿ではこのくらいにしておきます。

クレジットカードの少額残高は免除されることがあるらしい

では、今回の本題。

私は iCloud+ の50GBを利用しています。アメリカでは月額0.99ドルで、日本では130円ですよね。

Apple Card を作ってからは、この Cloud+ の支払いを Apple Card に変更しました。

Apple Card の使用頻度はあまり高くなくて、出かけたときにコーヒーなどのちょっとしたものに使うくらい。それでも毎月 iCloud+ の支払いと、そのちょっとしたものの支払いがあったんです。

先月はそのちょっとしたお買い物がなくて、利用履歴は iCloud+ のみ。すると、、、

Apple Card - transactions

↑の画像は、私の Wallet アプリで確認できる2024年2月の利用履歴です。2/6に iCloud+ の料金0.99ドルの支払いがあって、2/29には前月分の利用料金が金融機関から支払われています。
※ Payment に「+$113.22」と表記されるのは、Apple Card から見ると「銀行から入金があった」ことになるので、プラスと表示されるんですね。

これで、私の Apple Card のバランスは0.99ドルになり、翌月には0.99ドルが金融機関から引き落とされるというのが普通の流れのはず。

なのに、2/29に「Balance Adjustment(バランス調整)」で +0.99ドルと表示されています。

要するに、2/6 に支払った0.99ドルがバランス調整で0.99ドル補填されて、最終バランスが0ドルになったということです。

なんでー (゚Д゚;)!?

まず確認したのは、誤って iCloud+ をキャンセルしたのでは、、、という、うっかりミスの可能性。自分にまったく信用がないので。。。

でも、iCloud を確認しても特にキャンセルした形跡はない。

次に考えたのは、何かの特典でキャッシュバックがあったりクレジットがもらえたるするのかな、、、ということでした。が、これも見当たらない。

ただ、そういった関連ワードで検索をしていて見つけたつけたのがこちら ↓

Reddit という投稿サイトに掲載されていた「Free iCloud with Apple Card?」という投稿です。画像を見ただけでもお分かりいただけますよね。この方の利用履歴には iCloud+ の支払いとその Balance Adjustment しかなくて、スクショした時点の Card Balance が0.00ドル。毎月 iCloud+ を利用しているのに、Nothing to Pay なんです!!

同じく Reddit にあった別の投稿↓では、息子のためにダンキンドーナツで0.91ドルのアイスクリームを購入して Apple Card で支払ったママも、同じような体験をしていました。

Raddit を読む限り、どうやらこの現象はそれほど一般的なものではないみたい。

Small Balance Credit Card Waiver – クレジットカードの少額残高免除

しかし!

ダンキンドーナツでアイスクリームを買ったママへのコメントの中に、なぜこんなことが起こっているのかについての回答を発見しましたー。

それがこちら↓

ref – Small Balance Credit Card Waiver (Issuers Waive Small Balances) | Doctor of Credit

こちらのブログのタイトル『Small Balance Credit Card Waiver (Issuers Waive Small Balances)』を日本語にすると、「クレジットカードの少額残高免除(発行会社が少額残高を免除)」かな。内容を要約してみました↓

  • 多くのクレジットカードは、クレジットカード明細の残高が1ドル未満の場合、その残高を免除してくれる
  • 免除される金額は発行会社(銀行)によって異なり、免除が一切ない会社から4.75ドルの免除をした実績のある会社まである
  • 少額残高の免除は、クレジットスコアには影響しない ※詳細は、「おまけ」をご参照ください

少額残高を免除をしているクレジットカードはたくさんあって、先ほどのブログに実績のある金融機関やクレジットカードがリストになっていました。ご興味のある方は確認してみてくださいね。

金融機関が小額残高を免除してくれる理由を ChatGPT に聞いてみたところ、↓のような解答をしてくれました。

  1. コスト削減:小額の残高を追跡・管理するための業務や手数料がかかるため、金融機関はこれらの手続きを簡素化し、コストを削減することができます。
  2. 顧客獲得と維持:小額の残高を免除することで、顧客が利用しやすくなります。これにより、顧客がカードを積極的に利用し、金融機関にとって収益を生み出す可能性が高まります。また、顧客満足度を高め、顧客獲得と維持につながることもあります。
  3. 競争力の維持:小額残高を免除することで、他の金融機関との競争力を維持し、顧客の獲得や維持を促進することができます。特にクレジットカード市場では、競争が激しいため、顧客サービスや特典を提供することが重要です。

上記のような理由をはっきりと言及している金融機関のページは見当たらないので、そんな理由かもしれないなーくらいに読んでいただけると。

というわけで。

Apple Card での支払いが iCloud+ 50GB の0.99ドルだけの場合、毎月少額残高で免除になるので、実質無料で iCloud+ が利用できることになります。

しかも、この iCloud+ の支払いに対するデイリーキャッシュの還元率は3%なので、0.03ドルのキャッシュバックがちゃんとあったんです。実質払ってないのに。

1回あたりは少額だけど、チリツモだよね。すごくない!?!?

残念ながら、ざっと調べてみた感じだと、日本には少額残高免除というシステムはないようです。そうだよね。聞いたことない。

上述したとおり、Apple とゴールドマン・サックスとの提携が終了する予定だし、少額残高免除がいつまで続くのかはわかりません。

が、Apple Card を iCloud+ の支払いのみにしてみるのもいいかも、、、と検討中。

アメリカ在住8年目。「そうなんだー」が、増えました。

おまけ:クレジットスコアのこと

先ほど紹介したブログでは、少額残高の免除はクレジットスコアに影響しないと説明されていました。念のため、その根拠も書いておきますね。

Doctor Of Credit のブログによると、まず、「FICO スコア* の30%は、クレジット利用率に基づいている**」のだそうです。著者の経験に基づき、クレジットカード利用率を最適化するための方法として紹介されていたのがこちら↓

  • 利用するカードは1枚だけにして、そのクレジット限度額の10%未満の利用率に保つ
  • その他すべてのクレジットカードは、利用率をゼロに保つ

では、少額残高が免除になるというトリックを利用するために、複数のクレジットカードの残高を0.99ドルにするとどうなるのでしょうか。

ブログの著者が自身のクレジットレポートを見る限り、一般的にクレジットカード残高は、ドル単位で切り捨てられるんだそうです。例えば、532.99ドルの残高だった場合、.99ドルは切り捨てられて532ドルになるそう。0.99ドルの場合は、0ドルになってしまうというわけ。

さらに、少額残高が免除になるクレジットカードでは、報告される残高は0ドルなんだそう。例として、Discover カードは最大2ドルまで残高を免除しているそうなのですが、ブログの著者のクレジットレポートには、残高0ドルとして表示されていて、免除された2ドルは一切報告されていなかったんですって。

というわけで、

  • 一般的にクレジットレポートでは、クレジットカード残高はドル単位で切り捨てられる
  • 少額残高が免除になるクレジットカードでは、免除した残額をクレジットレポートに報告せず、残高は0ドルとして記録される

という2つの理由から、少額残高が免除になるというトリックを利用してもクレジットスコアに影響はないと結論づけています。

信じるか信じないかは、あなた次第!あしからず 🙇‍♀️

ちなみに、ちょっと古いですがクレジットスコアについて書いた投稿があるのでよかったら。

* FICO スコアは、クレジットスコアモデルの 1つで一般的にアメリカで「クレジットスコア」といえばコレ。アメリカの多くの企業が使用するクレジットスコアとして広く利用されています。

** FICO スコアの算出方法の詳細情報は、FICO から直接的には明示されていません。ここでの言及は、あくまでもこのブログでの検証や経験値に基づいたものです。